「結婚の意思」は確実にある。
2019/05/11
生涯未婚率が上昇しているが、やはり「結婚したい人」の割合は高い推移を維持している。
目次
1.結婚の意思
結婚する意思をもつ未婚者は9割弱で推移
いずれは結婚しようと考える未婚者の割合は、いぜんとして高い水準にある(男性86.3%、女性89.4%)。しかし「一生結婚するつもりはない」とする未婚者はわずかに増え、男性9.4%、女性6.8%となった。態度不詳が減り、独身志向を表す未婚者が増えた形となっている。
上昇の裏には様々な環境の変化が影響している。
出展:『厚生労働白書』未婚者の生涯の結婚意思より
2.結婚のハードル
結婚に障害となるもの「結婚資金」が増加
結婚意思のある未婚者に、一年以内に結婚するとしたら何か障害となることがあるかをたずねたところ、男女とも「結婚資金」を挙げた人が最も多く(男性43.5%、女性41.5%)、今回これまでで最も高い割合となった。女性では「親の承諾」「親との同居や扶養」を結婚の障害と考える人が減っている。
出展:『厚生労働白書』未婚者の生涯の結婚意思より
3.なぜ結婚しないのか
結婚をする積極的理由の欠如や、25歳を過ぎると適当な相手がいないことが制約
未婚者に独身でいる理由をたずねたところ、若い年齢層(18〜24歳)では「(結婚するには)まだ若すぎる」「必要性を感じない」「仕事(学業)にうちこみたい」など、結婚するための積極的な動機がないこと(“結婚しない理由”)が多く挙げられている。
一方、25〜34歳の年齢層になると、「適当な相手にめぐり会わない」を中心に、結婚の条件が整わないこと(“結婚できない理由”)へ重心が移る。しかし、この年齢層でも「必要性を感じない」「自由さや気楽さを失いたくない」と考える未婚者は多い。その他、「結婚資金が足りない」や「異性とうまくつきあえない」などは今回増加が見られる。
出展:『厚生労働白書』未婚者の生涯の結婚意思より
4.結婚後のライフスタイル
実際になりそうなライフコースは専業主婦コースが減り、両立コースが拡大
未婚女性が理想とするライフコース(理想ライフコース)は1990年代に専業主婦コースが減って、両立コースが増えたが、その後は大きな変化はない。
一方、実際になりそうだと考えるライフコース(予定ライフコース)では、専業主婦コースの減少が現在まで続いており、今回はじめて1割を下回った(9.1%)。
また、これに代わって両立コースおよび非婚就業コースの増加傾向が続いている。
男性がパートナーに望むライフコースも、専業主婦コースに代わって両立コースが増大
未婚男性がパートナーとなる女性に望むコースでも、女性の予定ライフコースと同様に専業主婦コースが減少し、両立コースが増加する傾向が続いている。
専業主婦を望む人が1割(10.9%)に減少する一方で、両立コースを望む人は2000年前後にこれを逆転し、今回は3割を超えている(32.7%)。
出展:『厚生労働白書』未婚者の生涯の結婚意思より
5.結婚相手に求めること
結婚相手の条件として「家事・育児の能力」が増加、女性では「経済力」「職業」の重視傾向も強まる
結婚する意思のある未婚者が結婚相手に求める条件としては、男女とも「人柄」を重視または考慮する人が最も多いが、「家事・育児の能力」「自分の仕事への理解」も大多数の未婚者が重視している。
とくに「家事・育児の能力」は約10年前の第11回調査(1997年)に比べ、「重視する」割合が顕著に増加している。その他、「容姿」「共通の趣味の有無」は男女ともに考慮・重視する割合が高いが、女性では「経済力」「職業」を考慮・重視する割合がこれらよりも高く、とりわけ「経済力」「職業」を「重視する」割合は、今回の調査で明瞭な増加が見られる。
出展:『厚生労働白書』未婚者の生涯の結婚意思より
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