「結婚に関する調査」から思うところ。

   

2019/05/10

いわゆる「なし婚」が一般的なものになりつつあるが、そもそも「結婚」がそんなに悪いものなのか、どのように考えられているのか。「結婚に関する調査」を見ると、「結婚」に対するイメージが先行しているようにも見える。人それぞれではあるが、決して結婚は悪いものではない、ということだけ先にお伝えしたい。
もちろん結婚がすべてはないし、結婚しない人生もとても素敵なものだと考える。 ただし、結婚のイメージが悪いというだけで結婚しない方、などについては自分の今後の人生とともに改めて考えたうえで結論を出していただきたい。
参照:楽天インサイト「結婚に関する調査」


目次
  
 
   

1.生涯未婚率の推移

1985年以降男女共に上昇しつづけ、2020年には4人に1人予想。
上昇の裏には様々な環境の変化が影響している。

生涯未婚率
参照:厚生労働省「生涯未婚率の推移」
   

2.調査結果

■既婚者は「(結婚は)した方が良い」と考える人が6割以上。未婚者は「した方が良い」と「しなくて良い」が4割程度の結果に

結婚についてどのように考えているかを聞いたところ、「出来ればした方が良い」が43.1%で最も高かった。「した方が良い(「必ずした方が良い」+「出来ればした方が良い」)の合計は52.2%と半数を超える一方で、「しなくて良い(「無理してしなくて良い」+「しなくて良い」)」の合計は23.5%となった。
一方、結婚状況別で見ると、「(結婚は)した方が良い(「必ずした方が良い」 + 「出来ればした方が良い」)と回答した人のうち、既婚者は 60.2%未婚者は 37.6%となり、「しなくて良い(無理してしなくて良い+「しなくて良い」)では、既婚者は 17.5%、未婚者は35.9%となった。既婚者は「した方が良い」と考える人が 6 割だったのに対し、未婚者では4割程度であることが分かった。
また、既婚者については、年代が上がるにつれ「(結婚を)した方が良い」と考えている傾向が高いことが見てとれた(20 代: 44.9%、30代: 44.4%、40代: 60.0%、50代: 63.2%、60代: 72.5%)。


■既婚者の約7割が結婚生活に「満足」と回答。結婚のイメージは「子どもを持てた」、「家族ができた」、「安らげる場所ができた」とプラス思考のものが上位に

既婚者に現在の夫婦生活に満足しているかを聞いたところ、「満足している」(49.1%)が最も高く、「満足している(「大変満足している」+「満足している」)」の合計は69.1%となり、「不満を感じている(「不満を感じる」+「非常に不満を感じる」)」(11.6%)に大差をつけた。年代による差はあまり見られなかった。
結婚していて思うことについて聞いたところ、「子どもを持てた」(70.0%)、「家族ができた」(67.1%)、「安らげる場所ができた」(45.1%)という順で高かった。上位にはポジティブな意見が多く、ネガティブな意見のトップは「ひとりの時間が持てない」(21.2%)だった。
男女間で差が出た項目は「経済的な安定を得られる」と「家事の負担が増えた」で、それぞれ24.3ポイント(男性19.5%、女性43.8%)、24.0ポイント(男性7.4%、女性31.4%)の差をつけて女性が高かった。


■結婚しない理由は「結婚したいが相手がいない」、「経済的に十分な生活ができるか不安なため」

未婚の人に結婚しない理由について聞いたところ、「結婚したいが相手がいない」(39.7%)で最も高く、「経済的に十分な生活ができるか不安なため」(26.4%)、「自分ひとりの時間が取れなくなるため」(22.0%)、「うまく付き合える自信がないため」(19.0%)が続いた。


■結婚相手に求める条件について、女性の半数以上は「経済力」と回答。結婚生活を始めるのに必要な夫婦合計年収は「400万円〜500万円未満」

結婚相手に求める条件について聞いたところ、「一緒にいて気が楽」(68.3%)で最も高く、「価値観が近い」(67.8%)、「一緒にいて楽しい」(53.1%)、「金銭感覚が近い」(42.4%)が続いた。
性別で見ると、「経済力」と回答した女性は半数以上の55.5%となり、男性の8.6%に46.9ポイントの大差をつける結果となった。また、男性の回答では「家事や家計を任せられる」(20.9%)が女性と比較して高いのに対し、女性は「家事が分担できる」(25.5%)という回答が男性と比較して高く、男女間における家事分担の感覚が異なることが見てとれた。
結婚生活を始めるのに必要だと思う夫婦の合計年収について聞いたところ、「400万円〜500万円未満」が19.3%で最も高く、「300万円〜400万円未満」(17.1%)、「500万円〜600万円未満」(15.8%)が続いた。性別・年代別では差が見られなかった。


■夫婦円満のためにすることは「できるだけ一緒に食事をする」がトップ。他の年代に比べ、20代は「スキンシップをとる」、「SNS・メッセージアプリ・メールでコミュニケーションをとる」が高い結果に

夫婦円満のために努力していることは何か聞いたところ(結婚していない方は何をするべきかで回答)、「できるだけ一緒に食事をする」(49.3%)が最も高く、「一日一度は必ず直接話す」(47.3%)、「相手の意思を尊重する」(45.7%)、「挨拶をする」(41.0%)がそれに続いた。
「スキンシップをとる」、「SNS ・メッセージアプリ・メールでコミュニケーションをとる」で20代がそれぞれ49.0%、22.6%と、他の年代と比べて高かった。


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調査概要
調査エリア  :全国
調査対象者  :20歳〜69歳 男女
回収サンプル数:1,000サンプル
調査期間   :2017年10月13日から10月14日
調査実施機関 :楽天インサイト株式会社
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